第18章 別れの時
「…え?」
信玄様の言葉が機械的に聞こえて、意味がすぐには理解できない
「どうして…急に…?」
「急じゃない。ずっと考えていた」
信玄様の私を見る瞳には、もういつもの優しさはない
あぁ……そうか……別れの時が来たんだ……
『離れたくない』なんて言うから、神様が意地悪したのかな
離れたくないと強く思っていたのに、いざその時が来たらすごく冷静で……
そんな自分に驚く
「大戦の準備が整った。だから織田軍との消耗戦はもう、必要ない。戦の駒としての、君の役目はもう終わりだ」
信玄様が淡々と語る言葉を、ただ黙って受け止めた
そうか。
戦の駒としての利用価値がなくなったんだ
じゃあ…ここにいる理由はない
せめて、500年後の帰るギリギリまで側にいたかったけど…
その願いは叶わないか…