第17章 隠された半月、半分の心
襲ってくる甘い快感と、この先に進んではいけないという僅かな理性がせめぎ合う中
「……九………」
信玄様手が着物の袷にかかる
貴方と…一緒に……いたい……
貴方と………
「ーーー離れたくない」
不意に私の本心が口から漏れた
貴方と離れたくないーーーーーーー
目尻を熱いものが伝う
「-------っ…」
その言葉に信玄様が苦しそうに顔をしかめ、私をひしと掻き抱くと首元に顔を埋めた
「君は……」
首元に顔を埋めたまま、信玄様が苦しそうな声で呟く
ーーーだけど、その後に続く言葉はなかった