第1章 甲斐の虎
ひとしきり信長様の腕の中で泣き
落ち着きを取り戻して、我に返ってくると
抱きしめられてるのがすごく恥ずかしい
「あ、あの…信長様……。わ、私…」
腕の中からそっと信長様を見上げ、顔色を伺う
「なんだ?もういいのか?」
相変わらずな物言いだけど、優しさが伝わってくる
「はい。あの…すっきりしました。思うことは沢山ありますが…」
目を伏せ…あの若い兵を思う…
「もっと沢山の人を救えるよう学び、強くなります…」
「そうか…」
信長様はそう言うと腕の中にいた私をソッと引き離した
そして…
私の耳に口づけする
「ひ…ひゃ……」
感じたことのない初めての感覚に身体が跳ねた
信長様の口づけはそのまま首筋へ降りて行く…
「%#*△◇%#*??!!!」
パニックで言葉にならない言葉が口から出た
そうこうしてる間に信長様の手が胸元の着物の袷に掛かって…