第1章 甲斐の虎
!!!!!!!!!!!
「だ!!!!!だだだ!ダメーーーーーーー!!!!!」
城中に響き渡る、私の声
信長様を押しのけ、着物の襟元をギュッゥ!!!と押さえた
目にはさっきとは違う意味の涙
顔は多分真っ赤だろう
「#%#*!…!!!あ、ああああ、ありがとうございました!!!!!」
もう自分でも何を言ってるか分からず
意味のわからないお礼を言うと、私は転がるように信長様の部屋を飛び出し
無理無理無理無理!!!!!
もうやだやだ!!
本当に帰りたい!!!!!!
忍び顔負けの速さで、自分の部屋にかけていくのだった
「フッ…創傷の生娘か……」
一人部屋に残され、あまりの乃々の逃げ足の速さに呆気にとられた信長は静かに笑った