第17章 隠された半月、半分の心
私はおやつの甘味とお茶をお盆に乗せて廊下を歩いていた
信玄様の傷は治っていたけど、二人でお茶をするのが日課になっていたから
信玄様の部屋へ続く廊下を行くと、庭で何かしてる姿が見える
信玄様、何やってるんだろう…?
お盆を縁側に置き
草履をつっかけ、信玄様のもとへ歩み寄る
「信玄様。おやつ持ってきましたよ」
「君か、乃々。」
振り返って笑った信玄様の周りには、大小さまざまに切られた板が置いてあった
「何してるんですか?」
「あぁ。大工仕事をしていた」
「大工仕事?」
信玄様の足元には、作りかけの棚のようなものが置いてある