第14章 戦の跡
「乃々さん、信玄様と約束してるの?」
「あ!うん。助けてもらったお礼しなくちゃいけなくて…」
その様子を見ていた佐助くんに聞かれて、慌ててしどろもどろに答える
「そっか。色々あったもんね。……何か……困ったことがあったら言って。」
佐助くんは少しだけ、何か言いかけたようにみえたけど、「それじゃあ」と言ってお城に駆けて行った。
何か言いたいことあったのかな?
もしかして…佐助くん、私の気持ちに気づいて…?
『この時代の人たちに深入りしちゃダメだよ…離れがたくなってしまうからね』
佐助くんのいつかの言葉
「信玄様、やきもちですかねー」
「…あはは。そんなわけないよー。」
鈴ちゃんの冗談に笑いながら、私は佐助くんに言われた言葉を、頭の隅へ追いやった