第14章 戦の跡
鈴ちゃんと別れ、自分の部屋に戻ると
「はぁ。やっと帰って来れた…」
ため息と一緒に出た言葉
帰って来れた?
いつのまにか、この部屋に居るのが当たり前になっていたことに気づく
ふふ。
何言ってるんだろう。
ここは私の居場所じゃないのに
自分の勘違いに笑ってしまう
佐助くんに深入りしちゃダメって言われたのに、信玄様が好き…って、やっぱりダメ…だよね
幸村にも後悔するって言われるし…
500年後に帰る身なのに
こんな、どうしようもできない片想いして…
どうしたらいいんだろう…
そう思いながらも戦場でのことを思い出すと、どうしても胸が高鳴ってしまう
それに敵の姫である以上、信玄様と想いが重なることはないだろう…