第14章 戦の跡
春日山城に着いて馬から降りると、信玄様と幸村と城へ向かって歩いた
「乃々様ーーーー!!」
「鈴ちゃん」
私に駆け寄ると飛びついてきた、鈴ちゃんを抱きとめる
「ご無事で安心しました〜」
「おい女。貴様、上杉の女中のでありながら、織田の女と何を戯れておる」
謙信様が冷たい目で私と鈴ちゃんを睨む
「お帰り乃々さん」
「佐助くん!…謙信様」
「なんだ、お前ら。今まで出迎いなんてしたことなかっただろー」
城の前で待っていてくれた二人に驚いた顔をしてると、信玄様が気持ち悪そうに言う
「乃々さんが心配だったので」
「ありがとう。佐助くん、ただいま」
いつも表情のない佐助くんが微かに微笑んだ
「謙信様も…ただいま戻りました」
戦に行く前、謙信様にもお世話になったし、挨拶くらいしておかないと…
「…貴様の身を案じた覚えはない。お前が、織田に戻ろうが俺には関係ないからな」
冷ややかなオッドアイが横目で私を見る
…まぁ、確かに関係ないよね
謙信様らしくて苦笑してしまう