第14章 戦の跡
あれ?
もしかして?
幸村って…?
ニヤニヤして幸村を見つめると
私の視線に気づいて、幸村が赤くなった
「…そっ、それに!なんだか知んねーけど、佐助もお前のこと気に入ってるみたいだし、信玄様も…」
「…なっ、なんで、そこで信玄様が出てくるの?」
信玄様の名前を出されて、今度は私の声が上ずった
「なに、赤くなってんだよ?」
「赤くなってない!赤くなってるのは、幸村でしょ!」
「あ?なん言ってんだよ!俺がいつ赤くなった?」
「今よ、今!ほら、赤い!!」
「そんなムキになって…なんか怪しい…。」
幸村の疑いの視線が痛い
「昨日だって、天幕に二人でこもってこそこそしてたろ……ついに…手ぇださ……『れてない!!!』」
幸村の言葉を最後まで言わせず遮る。
「助けてもらったお礼してただけだから!」
「…やっぱり怪しい」
…っう。
しつこい……。