第14章 戦の跡
「本当に君には敵わないな。幸たちが言う、事情はさておき…
君を助けたのは、君があまりに魅力的だったからかな」
「また、ふざけて……」
「ふざけてない。真剣に話してる。」
信玄な眼差しを受けて、言いかけて黙った
「君は俺のことを少しずつ知ったと言ったけど、それは俺も同じだ。最初は君のこと…ただの可愛い、純粋な女の子だと思ってた。だから…人質にすると決めたあとも、傷つけたくは…なかった」
…信玄様の言葉が私の胸にすんなりと入ってくる
「君のことを知れば知るほど、その想いは強くなっていって。君は可愛いだけじゃなくて、綺麗で強くて。どこか危うくて放っておけない……だから、死なせたくなかった。–––これで答えになってるか?」
これは、信玄様の本心だと思っていいんだよね…
言われた事に少し赤くなって、小さく頷いた