第14章 戦の跡
「幸と佐助の入れ知恵かー。困ったもんだ」
信玄様は否定も肯定もしない
その事情というのを私には教えてくれそうもなかった
やっぱり私には教えてはくれないんだ。
それが、自分が織田側の人間であって、味方ではないと言われてるようで切なくなる
「…信玄様に戦の駒にすると言われた時は、正直悲しかったです。
春日山に連れて来られて…そこで少しずつ知っていった信玄様が崩れさってしまったようで…」
私には信玄様のような駆け引きはできない…
だから…せめて思ってることをぶつけることしかできない
「…一つ教えてください。私を助けたのは、戦の駒としてまだ利用価値があるからですか?」
これだけは聞きたい…
「…今日の君は随分、直球で物を言うなぁ。」
信玄様が困ったように首を傾げてみせる
「信玄様が本心を隠しすぎるだけです。ふざけてばかりだと、相手はどれが本音か分からないんですよ。」
あなたの本当の気持ちが知りたいーーー