第13章 戦の駒

「……っう……」

い…たっ………ぁ……

どうにか痛む身体を起こす…


見渡すと
馬はすでに走り去っていなくなっていた


逃げなきゃ……


頭では理解しているのに


むせかえるような血の匂い…に足がすくむ
振り落とされても持っていたお守りを強く握りしめる



ダダッ！！ダダダッ！！！

すぐ近くに流れてきた矢が降り注ぐ



「何してるっ！！！」

誰かの叫ぶ声が聞こえたのと同時に、目に前に大きな人影が飛び込んできた



「……っぐぅ！！！」