第13章 戦の駒
一方ーーーーー
織田側では軍議が開かれていた。
「甲斐の虎が動きよったか」
「はい。乃々を連れて越後を立ち、わざと乃々を見せ物のように連れ回しているようです」
信長の言葉に、家康が苦々しく答える
「…あきらかに挑発してるな」
光秀の瞳が妖しく光る
「すでに、諸国に乃々様の噂が広まりつつあります。信長様の寵姫を武田が囲ったと」
「…本当かよ、三成。こりゃ、乗らなきゃ乗らないでめんどくせぇことになりそうだな」
「…どうなさいますか?御館様」
呆れる政宗に怒りを押し殺した秀吉は信長に指示を仰いだ、信長が床几から身を起こす
「面白い。あやつの手の上で思う存分暴れまわってやるわ。」
行燈の光の元、信長はクククと不適な笑みを浮かべた