第13章 戦の駒
ーー幸村にも佐助くんにも信頼されて…
謙信様にまで心配されて…
勝手に私をさらって…
勝手に優しくして…
勝手に私の心を奪って…
勝手に…
勝手に戦の駒にする……
ずるいよ……
私は…一体何に怒ってるんだろう…?
卑怯な真似で、信長様たちを追い詰めようとしたこと?
いつまでも復讐に囚われ、戦をすること?
それとも…私が勝手に好きになって、勝手に騙されたと思ってること?
もう…自分でも何がなんだか分からない…
「幸村…取り乱してごめんね…。佐助くんも…ありがとう。私も…もう少し考えてみるね」
疲れすぎて、そう言うのが精一杯だった