第12章 恋の病
「…乃々様…。ご自分の気持ちにお気づきになられてないのですか?」
愕然としてる私を見て、逆に鈴ちゃんが驚いてる
私…信玄様のこと…好きなの?!
「失礼ですが、乃々様は誰かを恋い慕ったことはないのですか?」
うっ………
鈴ちゃんに痛いところを突かれて言葉に詰まっていると
鈴ちゃんがまさか!という様な表情で私を見つめる
「…乃々様…。そうですよね…。姫様ともなりますと、自由に誰かを想うなどできませんものね…」
少しすると、鈴ちゃんが同情するように私の両手を握りしめ涙目で言った
「…鈴ちゃん…。私…恋してるかな?」
「間違いなく。それは恋の病です」
「……そう…そうなん…だ。」
がっくりと肩を落とす
確かに…
信玄様の言葉や態度、触れられるたびに心臓が高鳴る…
その理由は……私が信玄様に恋をしてたからなんだ……
そう言われて、初めて今までのことが府に落ちた気がした