第12章 恋の病
翌日
「乃々様…何か変ですよ」
気付けば鈴ちゃんのドアップが目の前にあった
「!!!!」
びっくりして仰反る
「乃々様、朝からため息ばかり。何か悩んでいるのですか?」
「…ため息?私、ため息なんてついてる?」
「はい。ずっとため息ついては、呆けてますよ」
「…そ、そうだった?」
「…乃々様。信玄様と何かありました?」
「…えっ?!」
「乃々様の呆けてる理由は、信玄様のことを考えているからでしょう?」
「…えぇっ?!」
「見ていれば分かります。慕っておられるのでしょう?」
「…私が?信玄様のこと……?」
鈴ちゃんに目を丸くして聞く
「はい。乃々様は信玄様を恋い慕っておられます。」
「嘘…でしょ?」
「嘘などではありません」
鈴ちゃんに淡々と指摘されて、愕然とする。