• テキストサイズ

貴方は私の半分〜イケメン戦国 武田信玄〜

第11章 城下の逢瀬


信玄様の案内で、まずは信玄様行きつけの団子屋へ入ると、なれた様子で主人に注文する。


「主人。とびきり美味い団子をたのむ」


「おや。信さん。久しぶりだね〜。今日はまた、可愛いお嬢さんを連れて。相変わらずのモテ男だねぇ」


愛想のいい主人が私を見てニコニコ笑うのを見れば、信玄様が色んな女の人を連れて来てるのが容易に伝わった。


主人の余計な一言に、「お?おぉ…」と、信玄様がチラッと私に視線をやるのを感じたけど、私は笑顔で主人の言葉と信玄様の視線を受け流した。


信玄様にとっては、私はその他大勢の一人なんだろうな

分かってはいるものの、改めて考えると胸の奥が軋む


主人が運んできたお茶と団子、団子の一つをパクッと頬張る

「美味しい…」

「そうだろう?ここの団子は店で食べると格別に美味いんだ!
乃々に食べさせてやりたくてなー」

嬉しそうな信玄様を目の前に、最後の一つを頬張ると

「乃々。ついてるぞ」

私の口の横についた、みたらしをすくいその指をペロリと舐めた

ドキッとしたけど…

ふ、と思い出す

安土の団子屋でもこんな場面あったな…
この人は…いつも変わらずこんな調子なのかな

誰にでも優しいの…?

そう思うとなんだか切なくなった…

でも…なぜ切なくなるのか…その理由を私は見つけられない


「さて、次に行こうか」


信玄様が勘定を済ませると、当たり前のように再び手を繋いで歩き出す

繋がれた手が、特別のような気がしてちょっぴりくすぐったい
/ 686ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp