• テキストサイズ

貴方は私の半分〜イケメン戦国 武田信玄〜

第10章 嫉心



しまった!

口を両手で覆う


「乃々…。今、笑ったろ?」

「?なんのことですか?私、笑ってませんけど?」

「いーや。今、確かに笑った。」

しらを切る私に、ニヤリと笑う信玄様がジリジリと近づく

「…あ!佐助君では?天井裏にいるのかも…」

そう言って天井裏を見上げると

がしっ!と信玄様に両手で頬を挟まれた

「賭けは俺の勝ちだ」

「…し……しんげ…ん…さ…まっ…」


獲物を捕らえたような目で見つめられるけど、両手で顔を挟まれて目をそらすこともできない


「約束だ…。君の全てを奪う…。」



「えっ……?!やっ……」


抵抗出来ずにいた私の額に口づけがおりてきた


額に落とされた口づけに驚いて見上げると、信玄様が優しく微笑んでいる

「これで君の全てをもらった。賭けはおしまいだ。」

「え…?」

「君の笑顔をもっと見たくなった。安土へ戻る機会を奪うのは心苦しいが。勘弁してくれ。」

「そ、そんな…。」

戸惑う私に少し困った顔の信玄様

それじゃあ…私はもう安土へは帰れないの?
ふた月後には現代へ帰るのに…
みんなにお礼も言えないなんて…

「…では…せめて文だけでも書いてはダメですか?」


「………文か。」

信玄様には少し考えると、「ダメだ。」と却下した。

/ 686ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp