第8章 未来への帰り道
部屋に戻ると、鈴ちゃんがお掃除してくれていた。
「乃々様。どちらへ行かれてたのですか?」
「あのあと、佐助くんと話してたの。そうしたら…さっき景資さんと与次さんに会ってお礼されたよ」
「あ!昨晩、乃々様が助けた家臣って吉江様だったんですね!!」
鈴ちゃんが拭き掃除していた手を止め、なるほどと手を叩く。
「昨日のこと鈴ちゃんも知ってるの?」
「もちろんですよ!女中の間じゃ、さすが我らの乃々様!!って大騒ぎでしたから」
「そ、そんな…」
「しかも!!乃々様!!!謙信様までも黙らせたって聞きましたよ!刀を突きつけられても怯まず、その姿はまるで巴御前のようだと家臣のみなさんが噂してました」
鈴ちゃんが自分のことのように喜んで話す
と…巴御前??
な、なんだかよく分からないけど
…ちょっと話が大袈裟になってる気がする