第8章 未来への帰り道
仕事に向かった佐助くんと別れると、私は自室へ戻った。
昨日のことでモヤモヤしていたけど、みんなと話したらなんだかスッキリしたな
信玄様も全然気にしてないようだし…
ワームホールのことも聞けたし!!
浮き足立つ私を
「乃々様!!」
浮き足立つ私を誰かが呼び止めた。
振り向くと、そこには昨日救った老臣と若い家臣の姿。
「あ!昨日は大変でしたね。体調はどうですか?私、無我夢中で突き上げてしまったので…。どこか痛みとかないですか?」
老臣に駆け寄り、そう声をかけるや否や
ガバッ!!!
頭を下げると土下座して叫んだ。
「昨晩はあのような醜態を晒し、敵国である姫君にこの老いぼれをお救い頂きましたこと、感謝申し上げます!!」
「父上をお救い頂き誠にありがとうございました」
「や…やめて下さい!!」
突然のことに驚いて慌てて頭を上げるよう、二人の側にしゃがみ込む。
「私は…人して当然のことをしたまでです。そんな気遣い必要ありませんから!どうぞ頭を上げて下さい。」
「乃々様…貴女様はまるで菩薩のような姫君であられますな…女中たちが噂していた通りのお方だ。」
頭を上げた老中が感涙を浮かべながら、私を見て言う
天女の次は菩薩って…
その例えに思わず私は笑ってしまった。