第8章 未来への帰り道
「甘味は好物だ。もちろん、食べたら甘そうな君のことも好きだよ」
私の問いかけに信玄様らしい、ぶれない答えを真剣に返してくる
その姿に感心すらしてしまう。
な…なんでこの人は、こうゆう台詞(セリフ)を恥ずかしげもなく、さらっと言えるんだろう?
もう根っからの女垂らし…なんだろうな、この人は。
「私なんか食べたら、お腹壊しますよ」
「君を食べて倒れるなら、それはそれで本望だよ。だから、君が男二人に囲まれて、楽しそうにしてると少し妬けるな」
や…妬けるって…
私の反撃も信玄様にとっては、子供の戯言なんだと思い知らされるて、言ったことを後悔した。
「信玄様、幸村様!こちらにいらっしゃいましたか!」
そこへ鈴ちゃんが廊下を小走りでやってきた
「なんだ鈴?」
「謙信様が午後の鍛錬に付き合うよう、お二人をお探しになられてましたよ」
「はぁ?!なんだよ!俺、朝も謙信様の鍛錬に付き合ったんだぞ!」
「謙信…なんで今日は、俺まで誘ってくるんだ…」
「おい!佐助!お前なんで呼ばれてないんだよ!」
「俺は情報収集があるから、前もって謙信様に鍛錬の方は辞退したいと伝えてある」
「佐助がいないから、俺が代わりか…」
「佐助!お前!裏切り者」
佐助くんに捨て台詞を吐くと、信玄様と幸村は恨めしそうな顔してその場を離れた