第7章 満月に浮雲
「あの信長の寵姫であり、武将たちにも好かれている…
そんな可愛い顔して、実は物怪の類いなのか?」
信玄様がの目が怪訝(かいが)に揺れる
「何度も言いますけど…、私は信長様の寵姫ではありません。誤解です!
信玄様、勘違いしてます!」
幸村も信玄様も、なんで私のこと信長様の寵姫だなんて言うんだろう?
そもそもこの誤解のせいでさらわれて……いい迷惑だ
「でも君は信長との夜伽はしていたんだろう?」
信玄様の瞳に奥に熱が灯る
「……なっ……なんて!!」
唐突な問いに面食らって唖然とする
そ、そんなこと!!本人に聞く??しかも女の人に直接聞く?!
「夜伽なんてしてません!!!!」
「君はすごいな。あの信長でも手を出せないとは…まるで難攻不落の要塞のようだ」
ムキになって否定する私を見て、信玄様が吹き出して笑った