第6章 宴にて
宴会も進むと、酔い潰れる者も出てきていた
そんな中チラッと上座に目をやると、
謙信様が顔色一つ変えずお酒を飲み進めている
謙信様に自由にさせてもらったことお礼しないとな…
後、信玄様にも本のお礼…
そう思って
隣にいる信玄様の方に視線をやると
こちらを眺める信玄様と目が合った
さっきの書庫でのことを思い出す
信玄様の匂いと
抱きしめられるかと思うほどの距離
身体が熱くなる…
私の熱が伝わったのか、信玄様の目にも熱が孕んだようにみえた
目を逸らさなきゃ…
頭では分かっているのに、視線が絡み合って離せない
ガッシャーーーーン!!!!
けたたましく御膳がひっくり返り、その音で絡み合った視線が外れた