第6章 宴にて
鈴ちゃんに連れられて、宴が開かれてる大広間に向かう
近づくにつれ、だんだん聞こえてくる声が大きくなる
「ど、どうしよう…緊張してきた!」
「大丈夫ですよ!乃々様!平常心、平常心で」
「鈴ちゃん、やっぱり一緒にいこう?」
「無理ですよ!女中の私があの席に並ぶなんて!」
「でも……」
「私もお酒を運んだりいたしますので」
そんなやり取りを大広間の前の襖でしていると
「何やってんだ?お前ら?」
「幸村様!佐助様!」
不意に掛けられた声に振り向くと、鈴ちゃんがほっとした様に声を上げる
「おま、お前……」
幸村が私を見ると一瞬目を丸くして、顔を少し赤らめる
「ふふふ!乃々様、綺麗でしょ?」
「あ?!馬子にも衣装だな」
私を見て、顔を赤らめた幸村を鈴ちゃんが揶揄うと、幸村はぶっきらぼうに答えて目を逸らした。
「乃々さん。姫君に見えますよ。適応能力が高いですね」
感心するように佐助くんに言われるけれど
いやいや…
四年で忍者になってる佐助くんに言われても…
あなたの方が充分凄すぎます
私は思わず苦笑いした