第2章 カカシ先生の指導
「この一週間、
君の事を見させてもらっての感想なんだけど」
夜営の準備に取り掛かり、川沿いに薪を集めた私は火遁の技で火を起こし、その後小さく風遁の技を起こし炎を大きくした
そんな私を見て、カカシ先生が口を開く
「うん。火遁に、風遁、か
ま、元々君は綱手様譲りの医療スペシャリストだ
流石、チャクラのコントロールに掛けては、文句のつけようがない程に優秀だね」
昼間はチャクラのコントロール、技の練り方から体術に至るまで幅広い指導を受けている
カカシ先生の深い知識からは学ぶべきところが大きく、技やチャクラの練り方に於いても、惚れ惚れするモノばかり
やはり流石に木の葉きっての上忍だけあって、私など必死に食らいついていくので精一杯だった
この上実践では、あの片目に隠された写輪眼をも駆使するというのだから、敵にとってはさぞや恐ろしい忍だろう
他里からも一目置かれている理由がこうして手合わせする事でより鮮明に理解できることが嬉しくもあった
そんな彼に褒め言葉を貰い、自然と頬が緩んでしまう
やっぱりカカシ先生は、すごい
すごくてかっこ良い、憧れの人だ
でも、こんなに素敵な人なのに、彼に憧れる子は里に山程いるのに…何故か浮いた話は不思議と一切聞いたことがなかった
秘密の過去があっても不思議じゃない
みんなは知らないだけで、本当は今も恋人がいるのかも知れない
恋人の存在を人目に晒さないようにする、なんて事は彼ならば簡単に出来てしまいそうだ
ズキリと胸が痛む
(私、何考えてるんだろ
そんな事勝手に考えて傷付いたって、仕方ないのに)
憧れの存在である彼に、こうして短い期間ではあるものの側で修練を積む機会を与えられた。その事だけで私には身に余るほどの幸せだ
今この時を…大切にしなきゃ
「問題は、やっぱりくノ一独特の"色"の修練…だな」
"色"という言葉に、ハッとして顔を上げる
そう、今はこの試練に集中しなくてはならない
だが、考えるだけでまたズッシリと心が重くなり、反して頬は熱を持つ
『う、は、はい…………』
……今日も、する…んだよね、やっぱり……