第5章 火影様の企み
私はカカシさんの瞳の奥に不安の影を感じて思わずその腕に縋り付いた
彼はご家族や班のご友人を亡くされて、想像も出来ないほどの悲しみを経験されて来た
経験してきたからこそ、相手にそんな悲しい想いを、させたくない
…相手を痛い程に気遣う
それは本当に、カカシさんらしい
自分の幸せを、投げ打ってしまうことも厭わない
でも私は、そんな事でカカシさんを諦めたくはなかった
『そ、そんなの!
忍びの妻ならば負って当然の覚悟です!
カカシさんが任務を遂行している以上、いつ何時、どのような事が起きようと、受け止めます!
侮らないで下さい!!
私だって、忍の端くれです!!』
「…君っ…」
『…でも…』
私もカカシさんに向かい合うと真剣に言葉を選んでぶつけた
『あなたの側で、万に1つももしもがないように、守りたい…支えたい
あなたが少しでも私を望んでくださるのであれば、私は…
私はあなたが生きて帰って来たいと思える場所を作ってあげたいです!』
「…花ちゃん」