第21章 それぞれの道へ
「ありがとう、落ち着いたよ」
「よかった」
「このまま君を抱きたい」
「!!…………どうぞ…」
真っ赤になって消え入りそうな声で答えるケイト。それぞれの熱くて甘い夜を過ごした。
次の朝。
「では父上、行ってまいります。すぐ戻ります」
「うむ。おそ松殿の母君に、しっかり挨拶するのだぞ?」
「はい!」
「お世話になりました。妹をよろしくお願いします」
「カラ松殿、○○殿。またいつでもお越しくだされ。歓迎しますぞ。他の方々も、皆私の家族同様。気兼ねなくお越しくだされ」
「「はい!」」
意気揚々と玉座を後にするおそ松たちの姿に王は、
「この様子なら、跡継ぎの誕生もすぐだな」
と漏らした。
「よぅし、後は俺の故郷だ!」
「やっと帰れるのね」
「長かったな」
「んー。長かったけどさ、いざ振り返って見ると、あっという間だったなーって。特にチョロ松なんて、あの城に戻るだろ?なんかさ、寂しくなるな」
「おそ松兄さん、珍しく素直だね」
「どういう意味だ、十四松?!」
「そういう意味なんじゃない?」
「うん、そういう意味だね」
「そういう意味だな!」
笑い合うカラ松たち。
「はぁあああ?!何それ!バカじゃねぇの?バカじゃねぇの?!」
「ふふっ。おそ松、忘れたの?私たちみーんな」
「「バカばっかりだよ!」」
「わーーーーーっ!!やられた!つか、俺もバカだったわ」
どっと笑うおそ松たち。
「さあ、早くおそ松のマミーとダディーに会いに行こう!」
「ああ!」
ロック鳥が翼を広げる。その翼は太陽の光を浴びて、輝いて見えた。
テリ・ドルークに着くと、集落にいる全員が待っていた。
「おそ松、お帰り」
「!!母さん………!!!母さーーん!!」
母親に抱きついたとたん、大声で泣き叫んだ。
「よがっだ…!!よがっだ!!」
「おそ松。大きくなったな」
「父さん!!俺、頑張ったよ!いっぱい冒険して、いっぱい仲間が出来た!」
「はじめまして、おそ松くんのお父さんとお母さん。おそ松くんの妻のトト子です」
「おお!こんなにかわいいお嫁さんまで連れて帰ったのか!」
「うふふ。そうなんですー。私、かわいいんですー!」
「「はじめまして!!」」
「うわー、あなたがおそ松のお母さんですか?!人間を見たのは、初めてだ!」