第21章 それぞれの道へ
「チョロ松兄さん」
「あ?!」
「「おっつーー」」
「むっかっつっく!!」
「十四松。これからどうするんだ?」
「んー。先ずはおそ松兄さんのお母さんに会ってから考えるよ」
「そうだな。おそ松のマザーにご挨拶しないとな」
「この世界に来た初めての人間だもんね」
「私、十四松さんに着いて行きます」
「ポリアフ!」
「えっ?」
「敬語。なしって約束だよ」
「あ、そうだった」
「私みたいに特別な呼び方をするといいわ」
「んー。………じゅっし!」
「はいはいはははーい!」
「私も考えよっと。…………………あかん。ええのが浮かばんのや」
「あー。おそ松って、別の呼び名が付けにくいわね」
「おそ……かな」
「もー、トト子が呼んでくれるなら、何だっていいよー!」
「じゃあクズで」
「「ぶっは!」」
「最初のやつとのえらい差よ。でもトト子だから許しちゃう!」
「私なら、イッチね!」
「……トド」
「「ぶぉふ!!」」
「ちょ!!それ、やめて!」
「トッティ」
「うん!」
「でも」
一松がポツリと呟く。
「ばあちゃんに見せたかった」
「きっと、見てくれてるさ」
「黙れ、クソ松!!」
「理不尽!!」
結婚衣装のままロック鳥に乗る仲間たちとポリアフ。4組の夫婦が仲睦まじくイチャコラする中、チョロ松はすっかりむくれていた。
「何で俺だけ余るんだよ…。仮にも森エルフの王子だよ?あり得なくね?」
そこへペガサスが飛んできた。
「おお、ペガサス!」
「ペガサス!僕を乗せてよ!」
チョロ松はペガサスに飛び移った。
「お前らはそこでイチャコラしてろ!僕はペガサスと一緒に行くもんねー。ケツ毛燃えろ、クソッタレ!!」
「チョロ松って、ケツ毛好きだよなー」
「確かに!」
それからしばらくして、レッドアイ族の街に到着した。
「みんな!帰って来たぜ!」
「カラ松か?!」
見れば全員、目を開いている。しかも皆それぞれ瞳の色が違っていた。だがどれもが美しい。
「お兄ちゃん、お帰りなさい!!」
「おお、その声はケイトか!!」
ケイトの瞳はエメラルドのような色だった。
「カラ松!お前には感謝してるぜ。おかげでこの世界がこんなに鮮やかなことに気づけた」
「ああ。もう俺たちはレッドアイ族じゃない。ジュエルアイ族だ」