第14章 悲しき鬼女、レッドアイ族の悲劇
「……カラぴ」
「カラぴ?!と、唐突だな」
「だって、私の呪いを解いてくれたも同然だもの。私はあなたを愛するわ」
「○○……。この俺を愛してくれるのか?レッドアイ族のこの俺を」
「レッドアイ族だからこそ、私を見ても石化しなかったし、私の心のあり方を見つめ直させてくれたのよ?」
石化した者たちは石化したままだった。恐れをなして石化したため、戻ることが出来ないのだ。
「あ!カラ松兄さん発見伝!!」
「え、何その美人」
「ちょ!それ、ずるくない?!自分だけそんな綺麗な人抱き締めてるとか!」
「ふふーん。俺様だからこそなし得たことだ。そうだろう、マイハニー」
「うふっ。調子いいのね、カラぴは」
「か!!カラぴ………!」
「カラぴー……!!!」
「クソ松!!てめぇ、どうやってたらしこんだんだ?!ぁあ?!」
「ちょっと!私のカラぴに何するの?!石にするわよ?!」
「石?」
「私、メデューサだもの」
「メデューサ…。メデューサ……」
考えていたおそ松は、たった1体だけがその名を持つことを思い出し、つかつかとカラ松の前に行く。
「はぁああああああああ?!メデューサって、髪が蛇で下半身も蛇の、睨まれたら石化するっていう、あの?!」
「さっきまでその姿だったぞ」
「カラぴが呪いを解いてくれたの」
カラ松の首に抱きつき、頬にキスをする○○。
「あは!カラ松兄さんに恋人が出来たー!ばんざーい!ばんざーい!」
「はんざーい、はんざーい」
「○ーす、ボケー」
「ふっ。さらば、オンリーロンリネスライフ!」
そしてふと思い出したおそ松は、○○に向かって言った。
「俺たちの旅に、同行するん?」
「もちろん!カラぴを守るためにね。それと、カラぴが私を見られるように、ゴールドドラゴンにお願いしなきゃ」
「………悲しき鬼女、なのか?今はただの幸せな美女だな」
「だって、私の長く辛い日々を終わらせてくれたんだもの。カラぴのそばにいたいし、いて欲しい。カラぴは私を守るって言ったけど、守られるだけなんてごめんだわ。私もカラぴを守りたい」
「本物だねー、愛されてるねー」
「いいなぁ。僕も彼女、欲しい」
○○はおそ松に懇願した。
「お願い、私も連れてって!レッドアイ族の悲劇を、終わらせたいの」