第14章 悲しき鬼女、レッドアイ族の悲劇
「○○、ありがとう…!さすが俺の女だぜ」
「カラぴは私を助けてくれた。今度は私がカラぴを助ける番よ」
「何でこんな痛い奴がいいの?」
○○は不思議がる一松に言った。
「痛い?どうして?」
「あーはん?とか言うし、すぐ格好つけようとして無理するし。あんたの呪いを解いたか知らないけど、あんたを○すためだったらどうする?」
「例えそうでも、私はかまわないわ。随分長い間、あんな姿でいたんだもの。これ以上宝石目当てにやって来た誰かが私の姿を見て、石になっていくのを見るのはごめんだったから」
「あ!!」
おそ松が声を上げた。
「どうした、おそ松?」
「宝石で思い出したけどさ。見てよ、これ!すごい数の宝石を拾っちゃった!」
「おそ松。その宝石は、○○の涙だ」
「え?そうなの?いいじゃん、別に。こんな綺麗なんだしさ」
「ねえ!お腹すいた!」
ご飯、ご飯と連呼しながら走り回る十四松。
「そうだね、街に戻ろうよ」
「おっし、早速この宝石使って、ごちそう食べようぜ!」
「「さーんせーい!!」」
意気揚々と出口へ向かうおそ松たち。カラ松は○○に手を伸ばした。
「さあ、行こう!お前の新しい世界へ!」
「はい!」
○○はその大きな手を取り、洞窟の外へと出た。長い間洞窟の奥に隠れるようにして過ごした日々も、ついに終わりを告げた。
外に出た頃にはすっかり日も暮れ、夕日が地平線へと沈んでいこうとしていた。
「たっだいまー!これでごちそう作ってー!」
宿に戻ったおそ松は、老人に数個の宝石を見せた。
「こ、これは……!何と美しい……!ちょっと待ってておくれ」
そう言うと老人はそれを握ってどこかへ走り、しばらくして大量のごちそうと酒を持ってきた。
「おおおおー!!」
「いい匂い、いい匂い!!」
「すごいな!」
「うまそう」
「酒はやめとけよ?明日に支障が出る」
「そうだな。1日も早く、ストーグロックに行きたいもんな」
その日おそ松たちは新たな仲間『悲しき鬼女』を仲間に迎え、豪華な食事に舌鼓を打った。
「おそ松兄さん。僕、新しい矢が欲しいな」
「俺も○○に、いい服を買ってやりたい。今の服では、薄そうだからな」
「俺も自分の剣が欲しいしな。みんなで買い物しよう」