第4章 理性
まだ、太宰さんがポートマフィアにいた頃。
その時太宰さん、たまに尾崎さんに私はハニートラップや色仕掛けの練習させられていた。
私はものすごく衝撃を受け、その仕事が1番嫌いになった。
その仕事は今していないけど、本当にその頃は嫌だった。
だからずっと忘れさせていたのに。
目をつぶって、思い出さないようにする。
すると、太宰さんはいきなりキスをした。
『んん!!んぅ、ふっ、…んん"っ』
唇が離れると、どっちのか分からない唾液が糸を引く。
そして、一番感じるところで押されると、私から漏れていた喘ぎ声は一層大きくなった。
『ぁあ"っ…だめっ、やッ、あっ、ん" んんっ!!』
恥ずかしくて、声を抑えようも思っても声が出てしまう。
『太宰さんっ、ま、…っく、ってくださっ…ぁ、…い、…わたひ、もう戻り…ますっ』
太宰さんの胸を押す。でも、全然びくともしない。
──どうしよう、このままじゃ…
逃げなきゃ、そう思って私は力を振り絞って太宰さんを押し退ける。
力を入れて押し退けると、太宰さんが離れた。
『す、みませ……私、もう戻ります……』
私は少しよろめきながら立ち上がった。
ふらふらと歩いて、ドアを開けて外に出た。
出る時に太宰さんは何も言わなかった。
『はあ…怖かった……』
私は緊張の糸が切れたのか、その場に座り込んだ。
深呼吸をしていると、携帯電話の着信音がなった。
私はポケットから取りだして、携帯電話を耳元に当てた。
『……はい』
相手は中原さんだった。
「か?首領が早く戻って来いだとよ」
『分かりました…』
中原さんの方が終了ボタンを押した。私は携帯電話の画面をぼーと見つめた。