第3章 目覚めの約束
「ん、」
目を覚ましたら、自分の部屋ではない場所だった。
隣には敦さん。
起こすか起こさないか、躊躇っているうちに敦さんが動いた。
「あ、ちゃん。あれ…」
外を見ると朝だ。
敦さんも昨日何があったか、忘れてるみたいだ。
「僕たち、此処で何したんだ?」
敦さんは考え込み、黙りこんだ。
すると、顔が赤くなった。
「ごめんっ。昨日僕はちゃんに無理矢理…!」
「…あ、あぁ、はい。でも、昨日は如何して」
「よく判らないけど、身体が熱くて…
特にその前には何も身体に、異常は無かったんだけど…若しかすると、その、異能の虎、の…」
敦さんはハキハキしないで戸惑い乍、云う。
「発情期?」
「う、うん。知ってるんだ」
意外そうに敦さんは云った。
「僕、自分のことしか頭に無くて…」
「いいですよ。謝らなくても」
「借りを返せばいいので」
「あ、ありがとう」
「手伝ってあげてもいいですよ」
「え、」
「あ」
何、云ってるんだ私…!
なんで、こんな事云ってしまったんだろう。
そして、真逆借りを返してもらう事があんな事なんて、全然知る由も無かった。