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淡雪ふわり【風強・ユキ】

第1章 ふわり、舞う



「じゃあじゃあ!今度一緒にどっか遊びに行こうよ、ハナちゃんも一緒に!舞ねーちゃん遊園地とか好き!?」

気が乗らない夜のことを考えていると、至近距離にジョージくんの顔。

「えっ、ゆ…遊園地…?」

反射的に一歩後退る。

「うん!」

屈託のない笑顔。
ジョータくんとジョージくんは、いつも天真爛漫なチームのムードメーカーだ。
三つも歳上の私を誘ってくれるのは嬉しいけれど、実は私、絶叫系全般がとても苦手。
一緒に行っても気を遣わせてしまうだけのような…。

「おい。近い」

私の目の前にあるジョージくんの顔が、ユキくんによって引き離される。

「いきなりそんなに近づいたらビックリすんだろうが」

「ああっ、そっか!ごめんね!」

「ううん、大丈夫」

慌てて飛び退くジョージくん。

「大体未成年が大人の女をダブルデートに誘うな。図々しい」

「ダッ、ダブルデート!?いやいや、俺たちはそんなつもりじゃなくて!」

「そうだよ!女子と遊園地行けたら楽しいじゃん!お化け屋敷で "きゃー!ジョータくん、怖いよぉ〜" なんつってくっつかれたらオイシイっしょ!?」

「不純な願望丸出しで舞ちゃん誘ってんじゃねぇよ!このバカ共!!他の女当たれ!!」

「えー!そんなこと言うならユキさんが女の子紹介してよ!」

「バカに紹介するような女はいない!俺までバカだと思われるだろ!」

「酷っ!!ケチ!!」

「ケチで結構!キングにでも紹介してもらえ!」

「「キングさんに女っ気あるわけないじゃん!」」

「おい!聞こえてるぞ双子ぉ!!」

キングくんの乱入によって、ジョータくんたちは散り散りに逃げ出す。


えっと…遊園地の件は返事しなくてよかったのかな…?


「気が進まないならハッキリ言っていいんだからな。言わなきゃわかんねぇタイプには、特に」

ジョータくんたちを呆れ顔で眺めながら、ユキくんは腕組みする。


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