第10章 ただ、好きなだけ ※

舌先でそっと舐めていたと思ったら、その動きはすぐにいやらしく変化していく。
頂の周りをくるりとなぞったあと、唇でちゅうっ、と吸われる。

「あぁっ、んん…」

こんなの、我慢できない。
自分の意志に反して高い声が上がってしまう。

「ふっ…乳首、弱いんだな」

「んん…」

「感じてて。感じたまま、俺の、触って？」

唇での愛撫を続けながら私の手は掴まれ、ユキくんのそこへ誘導される。

どうしよう。
私、こんな気分になるの、初めてかも…。

ユキくんの肉棒を握り、上下に動かす。
凄い…固くて、大きい。

「…っ、は…」

小さく息を吐いたユキくんが私の太ももに手を置いた。
細長い指は、さっき達したばかりの淫洞の中に沈む。

「待っ…、んっ、あぁっ」

「舞も続けて。一緒に、イこ？」

弾けるお湯の音と、はしたない自分の嬌声。
そして、耳を撫でていくユキくんの湿った吐息。

「すっげ…、舞の中、トロトロ…。やらしい…」

「言っちゃ、いや…」

ぼんやりする頭でも、ユキくんに気持ちよくなって貰いたいという欲は忘れてない。
そばに浮かぶ泡を掬い上げて猛ったそこに撫でつけた。
途端にヌルヌルと滑りが良くなる。


「それ…っ、やっべ…」


ユキくんの切なげな声で、ひと際内側が狭くなったのがわかる。
だめ…ユキくんに気持ちよくなって欲しいのに、私の方が先に…。
そう思った矢先、次の快感が体を襲った。
ユキくんの唇が私の唇と重なり、侵入した舌は口内で暴れる。
呼吸さえも飲み込む、蕩けるような濃厚なキス。

ごめんね、もう、無理…
私、また…


「んんっ、ふ、あぁ…！」


体が震え、ビクンビクンと何度か跳ねた。
数秒ののち、波が引いた証に力が抜けていく。

ユキくんを置き去りにして、一人で果ててしまった。


「や…、また、私だけ…。ユキくんも…」


握ったままのそれを緩く動かそうとすると、ユキくんの手によってやんわり止められる。


「俺も、イッた…」


「え…」


視線を下ろした先には、私の手に垂れたとろりとした白濁が見えた。