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淡雪ふわり【風強・ユキ】

第9章 夏の星座 ―ユキside―



「明日からここに舞がいないと思うと、寂しくてたまんない」

「また、そんな…」

「嘘だと思う?」

「そういうわけじゃないけど…」

「抱きしめていい?明日も、走れるように」

「…うん」

ハイジが教えてくれた夢。
叶えたいんだ、心の底から。
舞と一緒なら、俺はもっともっと、頑張れる。

舞の体を、ふわりと包み込んだ。
優しい香りと、温もり。
今日一日の疲れなんて忘れてしまえるくらい癒やされる。
ただ、明日には離れちまうんだよな。
さっきのセリフは俺の本音だ。

寂しいよ、舞。


「帰ったら絶対デートするぞ」

「無理しないで。練習もあるんだから」

「無理しなければいいんだろ?時間なら作ればある。朝練の後から夕練の前までとか。
それか、夕練の後から朝まで…とか」

「……」

黙り込む舞に不安が過る。
こんなあからさまに夜のお誘い…。
やば…引かれた…?


「…ユキくん、早起き得意?」

「え?ああ…」

「じゃあ…朝、起こしてくれる?朝練、遅刻しないようにしなくちゃね」

舞の腕が体に絡みついてきたかと思えば、恥ずかしそうに俺の肩に顔を埋めた。

これ……
俺のこと受け入れてくれてると思って、いいんだよな?

舞のことが愛おしくて愛おしくて、どうにかなりそうだ。


「舞…」


名前を呼んで、隠れた顔をこちらへ向かせる。
潤んだ瞳と目が合った。
ふっくらした唇に、そっとキスを。

柔らかい。いい匂い。すげー好きだ。
触れるだけじゃ物足りなくて、舌先で舞の唇をなぞる。
舞はすぐに口を開き、自らのそれを絡ませてくる。
行き交う湿った舌と舌。
コテージの中ではこんなキス、できなかったからな。
ようやく解禁と言わんばかりに、熱く、深く、欲望を曝け出す。


「ユキくん、ぁ、ん、」

「苦しい?」

「うぅん…」

ごめんな、強引で。
好きな女とこんなエロいキスしといて、簡単にストップできる男がいるかよ。
言葉を交わしつつも、離してやんない。
情欲に掻き立てられた俺の掌は、舞の体を撫で回す。
背中、腕、ウエスト…そこから這い上がって、脇の辺りの際どいラインへ。


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