第2章 弐
大きな瞳が揺れながら私を見る。
わかるよ、その気持ち。
本当は叫び出したいよね、逃げ出したいよね、己がもっと強ければって思うよね。
私もそう、叫びたい、逃げ出したい、強ければって思う、信じたくない。
でも、それでも立ち向かわなきゃ行けない。
私たちは鬼殺隊だから、1匹でも多くの鬼を倒して明るい未来に近づけなければいけない。
炭「さん…」
『さあ、謝るのも泣くのももうおしまい。君達は怪我をしているんだから早めに蝶屋敷に行ってしのぶちゃんの手当を受けないとね。隠しの皆さん、連れて行ってください。』
私の一声で待機していた隠しの人が3人を背負う。
一礼して去っていく彼等を見送り一息吐いた。
上手く笑えていただろうか。
隠「あの、様は如何なされますか…?」
『少しだけ、少しだけでいい、遠くで待っていてくれませんか?師範と二人になりたいんです。』
そう告げれば頭を下げて素早く去っていく。