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夢幻

第7章 漆







付き合いは浅いけれど、君には感謝してもしきれない。
君のおかげで愼寿郎さまの気持ちが変わったし、千寿郎くんの新しい道も開けた。
杏寿郎さんが認めただけある、鬼を連れた鬼殺隊士なんて最初は私も耳を疑ったけれど。





竈門くんならどんな困難も禰豆子ちゃんと乗り越えて行けるだろう。
杏寿郎さんの死を糧に前に進む君なら、ね。





『さぁ、暗い顔はもうおしまい。蝶屋敷に着いたよ。竈門くんはしのぶちゃんの治療をきちんと受け…て…』





炭「さん?どうかしたんですか?」





炭治郎の背後に揺らめく影を捉える。
己の位置からはその影との距離があり正体は掴めないが、ユラユラと揺れている。
揺れている、というより禍々しいオーラというかなんというか…。





『いや、あれは竈門くんの知り合いの人…?』




目を凝らしてよく見れば頭に物騒なものを飾って、両手に包丁を握りしめている。
え?と言って振り返った炭治郎も目を凝らしていた。
その後に小さく悲鳴が聞こえたと思ったらその影が物凄い勢いでこちらまで向かって来ていた。





炭「はっ…鋼鐵塚さん?!」





抜刀しようと刀に手をかけたとき、炭治郎がその影の名を呼んだものだから面食らう。
刀を無くすとは何事だ、殺してやるううう!!と包丁を振り回しながらかけてくるこの人は何から何まで物騒だ…。





炭「さんここで大丈夫です!!ありがとうございましたぁぁあ!!!」





『む、無理しないでね…』





鋼鐵塚と呼ばれるひょっとこのお面を付けた男は炭治郎を追いかけ回し、炭治郎はすみません!すみません!と謝りながら逃げ回っていた。





後日段で鋼鐵塚が刀鍛冶だと知っただった。





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