第6章 陸
何が起きたか分からなかった。
ただ愼寿郎の言葉にその場は凍りつき、何事かと声をかけようとしたすら固まった。
愼「人間の能力は生まれた時から決まってる。才能のある者は極一部、あとは有象無象。何の価値もない塵芥だ!!」
愼「杏寿郎もそうだ、大した才能は無かった。死ぬに決まってるだろう。千寿郎!!葬式は終わったんだ、いつまでもしみったれた顔をするな!!」
愼寿郎の怒号は収まる事無く炭治郎と千寿郎に向けられ、千寿郎の目には涙が浮かび下を向いていた。
突然の事に頭がついていかないは師である杏寿郎を悪く言った愼寿郎に呆然としていた。
炭「…ちょっと!あまりにも酷い言い方だそんな風に言うのはやめてください。」
シンと静まった空気を壊すかのように先に口を開いたのは、額に青筋を浮かばせた炭治郎だった。
愼「何だお前は出ていけ、うちの敷居を跨ぐな…」
炭「俺は鬼殺隊の…」
愼「!!」
バリンッ!
炭治郎が言葉を続けようとしたと同時に愼寿郎が持っていた酒瓶が地に落ち、音を立てて割れた。
愼寿郎の目は炭治郎の耳飾りに釘付けになりワナワナと震えているように見える。