第42章 新しい命
そこからの話はどんどん進んでいった。
衝撃だったのは次の日の夕餉の時。
その日は謙信様、信玄様、佐助君、幸村、私の皆で食べていた。
「なあ、天女、幸。いつ話してくれるんだ?」
「ブフォ、ゴホッゴホッ。」
隣で幸村が味噌汁を吹いた。
なんでかってまだ、結婚の事を誰にも話してなかったからだ。
「し、信玄様。何の事ですか?」
「それは2人が一番わかってるんじゃないのか?」
「…な、なんで知ってるんですか…?」
(あの場所には私と幸村しかいなかったはず…。)
「見守り同盟はまだ継続中だった、どころか謙信様まで入ってたって事。」
佐助君がそう言った。
「ってことはもしや佐助!お前、まさか…。」
「俺もあのプロポーズの現場にいた。俺だけじゃなく、信玄様と謙信様もいた。ですよね?」
「ああ、幸村の腑抜け度合いを見ておこうと思ってな。」
頬が熱くなっていくのが分かる。
「ということで、報告はまだか?」
幸村と顔を見合わせる。
「信玄様、謙信様。俺と弥生、夫婦になりたいと思っております。どうか、お許しを!」
幸村と共に頭を下げる。
「だ、そうだ。俺は全然構わないよ。謙信はどうだ?」
「勝手にするがいいだろう。俺も別に構わん。」
「ということだ。おめでとう、幸、天女。」
(やった!)
パッと幸村の方を見ると明るい笑顔で幸村もこちらを向いていた。
まるで、やったな!とでも言い合うように。