第42章 新しい命
「なあ、弥生。左手出して。」
(左手?)
「はい。」
「目、つぶって。」
「目?なんで?」
「いいから。」
「?うん。」
幸村に左手を触られてるのが少しくすぐったい。
「開けて。」
「ん。幸村、なにしたのって、これ…。」
私の左手の薬指に綺麗な指輪をしていた。
「幸村、これって…。」
「佐助から聞いた。」
少し、視界が霞んでゆく。
「弥生、俺と夫婦になってくれ。」
「わ、私、なんかでいいの?大してかわいくもないよ?」
「お前がいい。俺にとってはお前が一番かわいい。」
「浮気とか、絶対にしない?」
「するわけない。お前以外の女なんかいらない。で、弥生。返事は?」
「よろしくお願いしますっ!」
涙が一向に止まりそうにない。
「なんで、泣いてんだよ。」
「う、嬉しいから。」
「ったく。嬉しいなら笑え!どうしたらいいかわかんねえんだよ。」
「嬉し泣きだからいいの!」
「ほんっとわかんねえな。」
そう言いながらも笑いながら幸村は私を抱きしめてくれた。