第41章 恋しいと愛しい
「悪い。」
(え?)
「なんで?」
「俺は自分でもそんなに素直じゃない事も分かってる。お前の気持ちだって察してやれない。」
「それでもっ!」
「お前がいくら帰りたがっても、絶対に帰させない。絶対に離せないから、先に謝っておく。」
「え?」
「お前がいくら泣き叫んでも離さないから。その代わりじゃないけど、俺はお前を守りきる。」
少し嬉しくなってしまう。
「俺もお前を愛してる。ずっと傍にいろ。」
私は幸村依存症かもしれない。
「うん!」
「ん。」
幸村が優しい笑顔を見せる。
「弥生、もっとこっちきて。」
「ん?うん。」
幸村のそばに近づく。
「よいしょっと。」
「わっ!幸村!ちょっと!」
幸村に褥に押し倒される。
「うわ…。」
目を開くと奇麗な顔が見える。
一気に心臓がバクバクしてくるのが分かった。
「弥生…。」
触れる様な優しいキスから、どんどん深いキスになっていく。
「んっ…はぁ、幸村…。」
「すげーいい顔。かわいい。」
手で顔を隠そうとしても幸村に抑えられてしまう。
「幸村っ、手…。は、恥ずかしい…。」
「嫌だ、かわいいから隠すな。」
(ほんとに…。)
「弥生、していい?」
(そういう聞き方はしないでほしい…!)
「…いい、よ。」
その夜は、2人は初めて結ばれた夜になった。