第35章 気恥ずかしい!
(そういえば、そうだった…)
弥生の気持ちがわかっただけで怪我のことも忘れてしまうとは我ながら呆れた。
「おー、手当てしてくれんのか?」
「当たり前でしょ!だから、腕出して!」
「おー」
弥生は慣れた手つきで手当てしてくれた。
「誰かに教わったのか?」
「なにが?」
「手当ての方法」
「うん!佐助君に教わったんだよ!すぐに対処できるように」
佐助と一緒に手当ての練習をしていることを想像したら少しムッとしたが、それよりも弥生の笑顔の方が強かった…。
(完敗だな…。)
そんなことを思っていたら、弥生が口を開いた。