第2章 かざぐるま
花火の音が止んだ
あたりはまだ騒がしが···
俺たちは静かに歩いていた。
「中也さん」
「···おぅ」
「かざぐるま、気に入りましたか?」
「あぁ··あのよ」
「はい?」
「さっき··の言葉、忘れてくれよ」
「······」
「お前は太宰の伴侶だし··俺みたいな奴とばかりいたら良くないだろ。今日の祭りに連れてきてくれただけでも勿体ないぐらい楽しかった···だから····」
すっ
「中也さん、泣いてますよ?」
天音の手が俺の片目に流れた涙を拭う。
「私は確かに太宰さんの伴侶ですが今は伴侶ではありませんよ。今は····中原中也さんの〇〇ですよ··」
とくん···とくん···
あふれる
あふれる
右手に掴むかざぐるまが風に吹かれて
からららら·····
回るまわる