第2章 かざぐるま
びくっ。
「あっ!今のなんだ!?行こうぜ!!(いけない)」
言葉が出た
俺は自分の吐き出した言葉を潰すように、歩き出す
「中也さん···」
俺の名前を呼ぶ声がする
いけない···俺は自分の溢れた言葉を伝え早く逃げたかった。
おそるおそる後ろを向くと
頬を赤くする天音が微笑んで···
「ここで見ませんか?」
「···あぁ(綺麗だ)」
思わず感じた。
右手に天音と同じ色のかざぐるま
左手は何も持ってない
そんな時に···
ぎゅ···
「···!」
天音の右手が重なった。
花火の音は聞こえる
お互いに口は閉じたまた
(あったかい···あの時と同じ)
ーーー···生まれてきてくれてありがとう···愛してるよ
ぱたっ···
(花火が···俺を··優しく··)