第6章 こども
その日はやけに小さい太宰さんが私にくっついてきた。
ぎゅっ
「今日一緒にお風呂入る」
「最近ずっと入ってますよ?」
うりうり
「ずっとずーっと」
しゃがみ
「何か悩み事?」
「天音にしか言わないよ」
「うん」
「···何年か後に小さい私に会えるよ」
「何年か後?···それってどんな意味?」
くるっ
「内緒!早く入ろ入ろ!」
「····治」
ぴたっ
「今···。」
ぎゅっ
「ずっと、一緒にいましょうね」
「····うん、うん!」
ーーーーーー·····
はぁ
「やっと小さい太宰が消えたと思ったが···でかい太宰は変わらないのか!」
「あはは」
そう
小さい太宰さんは突然消えた
朝目が覚めたら大人の太宰さんしかいなく
小さい太宰さんの温かさだけを残して、
だけどあの時交わした言葉の意味は確かに何年経った後に実現された