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人間失格 -愛-

第5章 ****



言われるがまま私は太宰さんの隣に座る

キュッ
熱い手が私の手を掴む

「怖い夢見ましたか?」

「ずっと···ずっと見る、血溜まりの上に··屍の上に僕はいる··天音···生きたい」

(熱で頭がぐるぐるしてるみたい)

「治は生きてますよ、首領から薬貰いましたから飲みましょうか」

「死ねる薬かい···?痛みもなく」

「そうですね、あなたは今"死にたい"ですか?」

「死にたい、血溜まりにいるのは嫌だ···でも今は、そんな悲しそうな目で僕を見る天音の前で死にたくない、死にたい··死にたくない···天音···」

(この子は内心死にたくない·死にたいが回る)

「治、死んではだめよ。まだあなたには大切な友人がいるんですからね」

「天音は、友人··?」

「私は。貴方の隣にいますよ」


コクッ
「···苦い」

「良く飲めましたね、さてまたひと眠りしましょうか」
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