第3章 ほしいほしい
すん··
(あの女とは違う匂い····)
「太宰さん?(寝ちゃった。しかも掴んだまま)」
「すー····」
「よいしょ」
何とか掴んだ手を離して私は一礼をする
パタン····
ーーーーー······
ガチャッ
「遅くなりました。お茶を頂きましょ!」
「太宰さんは···」
「寝てますよ。匂いからしてお酒飲んで来たみたいですね、まだ朝ですから少しねかせましょ」
「天音」
「ん?どうしました?芥川さ····ん」
ぎゅう···うりうり
「天音····優しい匂いする」
すんすん
「そうかな?」
「あぁ、凄く安心する」
「ありがとう芥川くん」