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Dear…【BLEACH】

第6章 Mission


「お帰り、ウルキオラ。帰って早々呼び立ててすまないね」

 虚夜宮(ラスノーチェス)の玉座の間では、この城の王が椅子に肘をついたまま、冷えた微笑みをたたえて入室した彼らを眺めおろしていた。

「……この身は藍染様とその御心のために存在するもの。お望みとあらばいついかなるときでも参ります」

 淡々と告げると隣のグリムジョーは「けっ」と低く吐き捨てたものの、藍染は満足げに頷いた。

「ありがとう、心強いよ。さてウルキオラ、早速で悪いが君を見込んで新たな任務を与えたい」
「はい」
「今回の任務はグリムジョーと組んで当たってもらう。最近現世で我らのことを嗅ぎ回っている死神がいるようでね……少々目障りなんだ」

 ざわり、と。
 胸が騒いだ。

「死神、ですか」
「ああ――悪い芽は早いうちに摘んでおくに越したことはないだろう?」

 ふ、と笑みをこぼした主からは微塵の切迫性も感じられなかった。恐らくはそこから生じる弊害など毛ほどもないのだろう。
 ただ、目障り。それだけの理由で。

「最近君には現世での任務を多く与えていたから、ほかの者に比べて地理にも詳しいだろうと思ってね。なに、数も霊圧もたいした規模じゃない。君とグリムジョーのふたりで行けば十分だろう」

 藍染は気づいているのだろうか。
 揺れ惑う翡翠の瞳に。無意識に握りしめた拳に。

 否、気づかれてはならない。
 破面が、十刃が、創造主である彼の意を遂げることに躊躇するなど、あってはならない。

「動きはすでに掴んである。次に奴らが現世におりるのは明日だ」

 そこまで告げて、目の前の主は艶然と微笑んだ。いつもと寸分たがわぬ穏やかな声音で。

「ウルキオラ――不運な死神どもを始末してきてくれ」



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