第15章 帰省後のひと騒動【山姥切長義、前田藤四郎他】
ここは、現世と各本丸を繋ぐターミナル施設。
本日、彩鴇は一時帰省から本丸に戻ることになっている。
今は本丸へのゲートを接続する手続きを終えて、一息ついたところだ。
「やっと帰れるわねー」
本丸に暮らすようになってからは、そちらでの生活にすっかり慣れてしまい、若干の疲労感すらある。
ぐぐっと伸びをしていると、手元の端末からゲート接続許可を知らせるアラームが鳴った。
端末に表示された案内に従って、ゲートに許可番号を読み込ませる。
あとはこの扉を開けば、本丸の門に接続される。
はずだった。
「あれ、開かない?」
本来は自動で開くはずの扉はうんともすんとも言わず、試しに押しても引いてもびくともしない。
『接続エラー 認証の受信に失敗しました』
エラーメッセージが目の前に表示され、彩鴇は首を捻る。
「不具合かな?」
なんにせよ、施設側に不具合報告して、対応しなければならない。
「帰るのが遅くなっちゃうわね、こんのすけに連絡入れないと」