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朝顔【刀剣乱舞】

第14章 帰省前の一悶着【山姥切長義、前田藤四郎】



彩鴇がこんのすけを促すと、今度はグラフの資料が出される。

「これは、被害者の霊力保有量のグラフで、審神者全体の平均値がこれ。見ての通り、被害者はみんな霊力が高めなの」

彩鴇の言う通り、被害者の霊力保有量は平均より高い。

「このことから、敵は霊力保有量が高い者をターゲットにしていると考えられるのよ。一般人への被害が極端に少ないことを含めると、護衛の男士の有無もチェックしている可能性があるわ」

続けて同じグラフにまた別の数値が示される。

「ちなみにこれは一般人の平均、審神者の平均と比較すると、だいぶ低いことが分かるわね」

「こちらに主さまの霊力値を表示するとこのようになります」

こんのすけが出した彩鴇の数値は一般人の平均値のやや下、審神者の平均値からはだいぶ下の方に離れている。

「見ての通り、私の霊力保有量はむしろ一般人に紛れるレベルなのよ。護衛がいなければ、一般人との区別はまずつかないわ」

彩鴇からすれば、まったく嬉しくないどころか、誠に遺憾なのだが、そこはそれ、身軽に帰省できると割り切っているのだ。

「この事情から、ワタシも危険性は低いと判断し、主さまの単独での帰省を容認しています」

本来なら審神者の安全のため、単身での現世行きはよほどでなければ、認められない。

さらに、とこんのすけは続ける。

「試算したところ、敵に発見されるリスクは、単独の場合は0.01%、護衛を連れた場合は0.5%となります」

「どっちも1%に満たないから、ほとんど危険はないように見えるけど、護衛がいるのといないのとでは、リスクが50倍違うってことだからね」

現世で時間遡行軍に遭遇した場合、一般人から秘匿するため、戦闘にはかなり制限がかかる。過去の事例から護衛がいたからといって、無傷で撃退できるわけでもない。
だったら見つからない方が安全というものだ。


「……分かりました。ですが、くれぐれもお気をつけください」

前田も渋々といった様子で納得した。



「そんな難しい顔しなくても、大丈夫よ。いざとなったときの逃走手段は持ってるから。みんなものんびり羽を伸ばすといいわ」




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